2022-01-20 とかその辺りに Google は Google Apps legacy free の廃止を宣言した。実は何年か前に予兆ともいえるような非公開のバグ修正を行っており、ついに来たかという感想である。

ではどうするかというと、次のどれかになるだろう:

  1. 有料プランに移行
  2. 競合となるサービスに移行
  3. 格安のレンタルサーバー付属のメールサーバー機能に移行
  4. フリーのサービスを組み合わせてしのぐ
  5. 利用を完全に廃止

2 は Microsoft 365 が最有力となるだろう (1 年間 60 % 割引を提供してくれるようだがどのように申請するのか)。3 は選択肢としては最低である。4 は面白いが複数人の組織では現実的ではないだろう。ときには 5 の選択は必要となる。

1 の有料プランへの移行では最低料金は次のようになる。

最初の一年は約半額のサービス料金

料金は最初の一年のみサービス料金で約半額の 340 JPY/mo/user となり、それ以降は通常料金となる。競合となる Microsoft 365 Business Basic はストレージ 1TB で 561 JPY/mo/user 1いつの間にか 753 JPY/mo/user にまで大幅に値上げしている… となり、割高感は否めない。また最低プランの Business Starter では Google Drive の共有ドライブ機能も利用できない。Google としては Gmail に価値があると主張したいのだろうが、アメリカ以外でこの価格戦略は正直厳しい。2Google のサービス・機能はアメリカ国内で真価を発揮する。

Google Workspace Essentials Starter Edition

どうしようか迷っているうちに、個人用の Google アカウントから Gmail を削っただけに見える、Google Workspace Essentials Starter Edition (機能比較) というプランが公開された。前述の料金につながるが、Google Workspace の有料プランは Gmail・管理者による管理機能・15GB 分の追加ストレージに 680 JPY/mo/user の価値を見出せということになる。やはり決して安くない、というか Essentials Starter が始まって余計に高く感じる…

Google Workspace アカウントのメールアドレスでは登録できない (Google Apps legacy free アカウントと Google Workspace for Nonprofit アカウントで確認)
@gmail.com のメールアドレスでも登録できない。確認していないが、主要なフリーやプロバイダーのメールサービスは使用できないのではないか
Family には追加できないため、Google One の保存容量の共有機能は利用できない

Essentials Starter の最大の特徴はメールアドレスさえあれば登録できる可能性がある点である。零細組織は最低レベルとはいえ独自ドメインによるメール環境を持っていることが多く、一方でサブスクリプションに忌避感があったり、メールサーバーの移行を思いつかなかったり、慣れているからと Windows 版 Outlook から離れたがらなかったりと Google Workspace の導入にはそれなりのハードルがあった。しかしメール機能をばっさり切ることで Drive、Calendar、Meet、Chat を既存の環境に初期コストなしで追加できるようになった。個人のアカウントを持ち込むと所有権の扱いは面倒になるが、Essentials Starter であればメールにアクセスできるものが所有権を持つ。

一方で組織の承認なしでも登録・使用できてしまうのは大きな問題とされるかもしれない。いわゆるシャドー IT である。社内規程とかで防げるという話もあるが、まともに社内規程を整備して徹底できる組織なら現代的な統合クラウドサービスの導入は既に解決されているだろう。日本は ICT においてはもはや国際的な競争力はなく、世界的なインフレの流れにもついていけていないため、この辺りの抵抗は時間の無駄でしかない。使いもせずに理解しようとして余計に時間を浪費している。なし崩しに飲み込まれるしかない。

Microsoft 365

修正を繰り返して Google Workspace のプランは容易には分かりにくいが、Microsoft 365 は輪をかけて分かりにくい。とりあえず、Microsoft 365 Business Basic と Microsoft 365 Business Standard の大きな差異は Windows 版 Microsoft Office の有無である。おおよそ 10,500 円/年 が Microsoft Office の付加価値であると Microsoft は考えているようだ。Microsoft 365 Personal が 11,682 JPY/y だから近い。しかし Microsoft Office はサポート期間短縮による実質的な値上げ (Microsoft Office 2016 (5 + 5 年) → Microsoft Office 2019 (5 + 2 年) → Microsoft Office 2021 (5 年)) が続いており、例えばこれが次のバージョンで 3 年サポートになればサブスクリプションとのコストパフォーマンスは逆転するだろう。とはいえ、古く保守的な大組織向けに永続版は必要だろうし、またサブスクリプションは近年値上げの傾向が強い。実際に逆転するとしても 2020 年代後半か 2030 年代になってからと予想している。

メール機能だけであれば Exchange Online (プラン 1) 473 JPY/mo/user というプランがあるが、値付け的に Microsoft 365 Business Basic に目を向かせるためのおとり感が強い。

  • 1
    いつの間にか 753 JPY/mo/user にまで大幅に値上げしている…
  • 2
    Google のサービス・機能はアメリカ国内で真価を発揮する。